夜桜とおぼろ月夜
"赤い鼻緒がぷつりと切れた
継げてくれる手、ありゃしない"
この艶っぽい歌詞は坂本冬美の「夜桜お七」の歌い始めである。
演歌はあまり聞かない方だが、この曲は思わず聞き込んでしまう不思議な魔力がある。
地元の近くに三嶋大社という由緒正しい神社があるのだが、ここの夜桜は実に色っぽい。
昼間は明るく華やかな参道は、夜になると朱色の行灯がぼんやり灯り、実に妖しげな雰囲気となる参道の中央にある神池には、対岸の参道の夜店の煌びやかな明かりが映り、まさに千と千尋の神様の世界である。
この日は朧月夜。
月夜と満開の桜、これ以上艶やかな組み合わせはあるだろうか。
いや、ない!
まさに息を飲む美しさである。
何年か前までは三嶋大社の境内に茶屋があった。茶屋の緋毛氈で味噌おでんと花見酒というのもきっと良いだろうなぁ。桜の時期だけでも是非また営業して欲しいものだ。
2018年3月