夏に生まれたわたしは、どんなに暑くてもだるくなってもどうしたって夏が好きでしかたない。 抜けるような青空や入道雲も。 蝉の声も。 川面がきらきらするのも。 山や森の草いきれも。 アスファルトの逃げ水も。 夏練帰りの白い制服も。 一面の青稲が草原み…
中学校2年生の頃だから、随分昔になる。その年の夏、苦手だった薄荷味のキャンディが突然食べられるようになった。 それまでは夜店の薄荷パイプも薄荷糖も苦手で、ドロップ缶に入っていた薄荷味なんかは、 透明な宝石みたいな赤や緑のキャンディの中に一つだ…
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