朝顔市とカーニバル
江戸下町情緒溢れる夏。
「恐れ入谷の鬼子母神」で有名な真源寺の界隈では、毎年7月に朝顔市が開かれる。
青、紫、紅紫。
絞ったちりめんみたいな変わり種。
参道を埋め尽くす植木屋自慢の朝顔たち。
職人たちが腕を競う自慢の品々が、軒先から見ておくれと袖を引くので、一丁ごとに足を止めてしまう。
折しも町は七夕まつり。
色とりどりの薬玉や吹き流しが商店街を飾る。
横断幕を見上げればそこには、平成日本の大電波塔、東京スカイツリーが見下ろしている。
夏も佳境を過ぎてうだる暑さが続く8月。
浅草浅草寺界隈の目抜き通りがにわかに活気づくのは、ほおずき市と並ぶ夏の風物詩、その名も「浅草サンバカーニバル」。
そもそも、なぜ浅草なのか。
なぜサンバなのか。
ここはお江戸のネオン街か?
見紛うばかりのまさにカオスの様相。
絢爛豪華にデコレートされた山車に跨るはふんどし男衆ではなく、島田にビキニ姿もゴージャスな、粋でいなせな女衆たちである。
陽気なサンバのリズムに合わせて国籍不問の老若男女が踊り狂うド派手なパレード。
お祭り好きな江戸っ子たちのエネルギーが、残夏の暑さも吹き飛ばしてくれる。
もちろん、
月島もんじゃに丸の内では中華料理。
胃のエネルギー充電もけして忘れないぞ。
お江戸の夏は
暑くて、熱くて
おもしろい。